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生ゼリーにきょうも行列ができる理由

著者:杉山清
2012年8月11日発売 本体 1,429円(税別)

量を追わない!拡大しない!人の真逆にチャンスがある!「ものが売れない時代」に奇跡を呼び込むカリスマ果物店主の商売流儀とは。

■編集部から
お客さまにどうしたらよろこんでいただけるか、納得していただけるのか!? その答えがこの1冊で明解になる! かつて存亡の危機に直面した静岡県富士市吉原商店街の果物店が、いまでは「奇跡の果物店」と呼ばれる繁盛店となり、全国の百貨店バイヤーが催事のたびに奪い合う人気店となった。なぜ、静岡の杉山フルーツだけがバカ売れするのか?どこにもない独自性と、お客さまに納得していただくために、日々していることとは? マーケティングではわからない確信の商売ドキュメント。

著者プロフィール:
杉山 清(すぎやま・きよし)  
杉山フルーツ店主、フルーツアーティスト
1960年、茨城県に生まれる。栃木県立真岡高等学校卒業。東京都内のホテルでシェフとして働いたのち、1982年、妻の実家である静岡県富士市・吉原商店街の果物店の3代目となる。1997年に店を、ギフト専門に特化した果物店とし、2005年には完熟フルーツを使ったフルーツゼリー「フルーツアーティスト 杉山清の生ゼリー」を発売。大反響を呼び、たちまち行列のできる人気店となる。2008年からは「杉山清ライブツアー」と銘打った生ゼリーの出張販売を全国各地の百貨店などで行っている。
http://www.sugikiyo.com/

新刊の「はじめに」より
 私たちの店・杉山フルーツは、富士山の美しい姿を望む、静岡県富士市の吉原商店街にあります。
吉原は、旧東海道の宿場町として江戸時代から栄えた歴史ある町です。"製紙の町"として知られる富士市の中心地でもあり、1980年代の吉原商店街は、旧東海道沿いの長さ1・2キロメートルの両側に120もの店舗が軒を連ねていたほどのにぎわいでした。けれどその店も、現在では半分の約60店舗。郊外に大型のショッピングセンターができ始めた1990年代からは、人の流れが商店街から郊外へと大きく変わったのです。
時代の変化とともに商店街は少し元気がなくなったかもしれません。でも、そんな吉原商店街のなかで、「行列のできる店」として近年、メディアに取り上げられるようになったのが、私ども杉山フルーツです。
2~3年前までは、毎日早朝からお客さまが店の前に並び、休日ともなれば午前9時の開店前に50人以上のお客さまが列を作っていました。市内やその近郊だけでなく、関西や、関東をはじめ、さらには北海道、沖縄などの遠方からも足を運んでくださっていたのです。
あまりに毎日、早朝から行列ができたこともあり、午前7時に整理券を配らせていただいたり、現在では電話による予約販売の方法も取り入れたりしたため、行列はかなり緩和されました。それでも、今もたくさんのお客さまが杉山フルーツにご来店くださいます。大変にありがたいことです。 そんなお客さまがお待ちになっても買いたいと所望されるのが、今やうちの看板商品となったフルーツゼリー、「フルーツアーティスト 杉山清の生ゼリー」です。
とろけるような柔らかい食感のゼリーのなかに入っているのは、新鮮な季節の完熟フルーツです。フルーツが透明なゼリーのなかに浮かぶ姿は「まるで宝石みたい」と、おほめの言葉をいただきます。
杉山フルーツが生ゼリーの販売を始めたのは2005年からです。今年で7年を迎えましたが、これほどまで多くのお客さまにかわいがっていただけるとは思っていませんでした。
 杉山フルーツは、私の家族が中心となって営んでいる、ごくふつうの果物店です。
なぜ、地方のいち果物店である杉山フルーツが、これほどお客さまに支持されるのか――。それが話題となり、テレビや雑誌にもたびたび紹介され、杉山フルーツは「商店街の奇跡」と伝えられたり、「奇跡の果物店」とも呼んでいただけるようになりました。
今では全国の百貨店やスーパーの "うまいもの展"からのお誘いもあり、期間限定ですが、出張販売もさせていただいています。そこでも、お持ちできる生ゼリーの数の関係で、余儀なくたくさんのお客さまに並んでいただくことが続いています。かつて、店の存亡にかかわるような商売のピンチを経験した私にとって、このような現実はまさに奇跡です。
けれども、「奇跡」はある日突然にやってきたのではありません。
私たちの店の全員が、時代の変化のなかで、もがき苦しみながらも、お客さまと向き合って懸命に努力し、挑戦し続けた結果のひとつの成果であるのです。
この十数年、地方の小さな果物店が取り組んできたささやかな商売改革の根本は、どうすればお客さまに納得していただけるか――という一点でした。
答えは明解でした。自分たちの得意の分野で、どこにもないオリジナリティを追求すれば、お客さまの支持は必ず得られるというのが、今の私の実感です。
私どもの店ではさほど売り上げも重視しませんし、たくさんの量を売ろうという気もありませんので、スケールメリットも追求しません。むしろ、拡大しないことを強みとする商いをしてきました。そのうえで、ひとつひとつの商品を丁寧に手作りし、お客さまにお渡しするところまでを自分の目で見届けるという、独自のスタンスを貫いています。
ある意味、ビジネスの常識とは正反対のことばかりですが、私は世の中の真逆をいくことにこそ、商売のチャンスがあると信じています。
ものが売れない時代――ともいわれる現代の日本ですが、実は景気不景気も関係なければ、立地が悪いとか、駐車場がないとかもいっさい関係ありません。家族経営であるとかもまったく関係ないのです。
ものが売れないその原因はすべて"内側"にあります。お客さまに納得していただけない何かが、そこにはあるのです。
私も、私の店もまだまだ発展途上ではありますが、かつて、商売に迷ったひとりとして、私たちのつたない経験が新しい挑戦を始めるきっかけになればと願ってやみません。

杉山 清


目次

生ゼリーにきょうも行列ができる理由
[目次]

第1章 「奇跡の果物店」杉山フルーツの商売流儀
オンリーワンの商い。
生ゼリーの真実
1 高級メロンを年に9000個売る果物店が一品一品手作りする生ゼリー
2 販売ルートは富士市の店と、全国の百貨店催事での出張ライブ販売のみ
3 ひとつ5000円の完熟マンゴーを使用した、最も高価な生ゼリーから売り切れる
4 商品はお客さまの手に渡るまでしっかりと見届ける――それが私の商売流儀
5 ライセンス契約での商品化はしない。お客さまにとってよいことではないから
6 東京スカイツリーのお誘いもことわり、デパ地下にもテナント出店しない理由
7 絶対にぶれてはいけないこと――量は追わない、規模を拡大しない

第2章 ふつうの果物店から、ギフト専門の果物店へ
店のピンチからこそ、新しいアイデアは生まれる
8 ホテルのフレンチの料理人から、22歳で杉山フルーツに婿入り
9 スーパーの撤退で客足が途絶え、生き残りをかけて、ギフト専門の果物店へ
10 専門店は品ぞろえの充実が生命線。高品質な果物のため、仕入れ先も新規開拓
11 新しいスタイルを確立するまでには、乗り越えていかなければならない道がある
12 話題性のあるイベントを仕かけ、ネットでは「スギキヨ」のギフトの魅力を発信
13 果物は実際に切り、味わいをたしかめて届ける。それが贈答品を扱うということ
14 店も、ホームページも、お客さまに私たちの誠意と熱意を伝える場

第3章 生ゼリー誕生秘話
たかがゼリー、されどゼリー。
どこにもないオリジナリティのために日々やっていること
15 水中花をイメージした「水中果」――生ゼリーは市場のイベントで誕生
16 「ゼリー」でなく「生ゼリー」。「生」ブームの来る以前からのネーミング
17 生ゼリーを作るのは、キャンバスに絵を描くのと同じ
18 ゼリーのなかに果物が浮く生ゼリー。一品一品に繊細な作業が必要に
19 生ゼリーの「ゼリーの秘密」。海藻から抽出した粉末のゼラチン
20 高品質の果物を仕入れるため、店の奥の寝袋で寝ている毎日
21 店でも会社でも、個人経営ならば、人が寝ている時間に働かなければならない
22 広告塔は自分自身。どんなに話題になっても、感謝の気持ちと低姿勢を貫く
23 お客さまの前では金ボタンのコックコート姿。最大限の敬意での接客を

第4章 小さな果物店から見たニッポンの経営
目指すのは、勝ち組でなく「価値組」。
スケールメリットよりも「スモールメリット」で
24 商売で勝ち負けを競い合うと消耗合戦になるだけ。勝ち負けよりも「価値」を追求すべき
25 スケールメリットの追求はリスクのかたまり。店を拡大するがすべてではない
26「小売り」とは小さな量を売る商売。たくさん売ろうとする戦略は間違っている
27 広げすぎた屏風をたたみ始めた時代。身の丈に合った経営は個人商店も大企業も同じ
28 小さな店だからこそ、リアルタイムで「変化への対応」ができる
29 価格競争は利益を奪うだけでなく、店や企業の活力を根底から蝕むもの
30 説得では誰も動かない。大事なことは、お客さまにいかに納得していただくか――
31 採算性よりも大事にしたいのは、選んでくれたお客さまの思い
32 お金の取れないサービスにも最高のものを使う。「もったいない」という考えは捨てるべき
33 商売は損得でなく、善悪で判断する。だから、利益よりも商品のクオリティを優先する

第5章 「小」を売るなりわいの商売セミナー
景気不景気は経営者しだい。店と経営者の魅力でいくらでも変えられる
34 店を改装できたのは自分の力ではない。お客さまがきれいにしてくれたと思うべき
35 不景気は立地のせいでも、駐車場の有無でもない。店と経営者に魅力がないから
36 跡を継ぐ者がいないのは、あなたが「将来の選択肢」からはずされたということ
37 よそのやり方の追随はしない。人の反対の道、真逆にこそ活路がある
38 数字を追い、「強者」を目指す商売よりも、まねのできない独自性で「本物」を目指す
39 価格競争は不毛の戦い。価値で納得していただくために得意分野を磨く
40 ポジティブでパワフルな人との出会いが、自分を磨き気持ちを前向きにさせる

第6章 杉山清の経営哲学。商売の成功のために
世の中の非常識にこそ、商売繁盛のカギがある
41 果物店の店主として信じる価値観は、売り上げ至上主義とは正反対の価値観
①ターゲット  お客さまは自分たちで選ばなければならない
②サービス、販売スタッフ  人材が育たないのは自分のせいである
③価値  目指すべきはナンバーワンではなく、オンリーワン
④善悪  心を揺り動かすものづくりには手間ひまがかかる
⑤適正利潤  商売をする限り、利益をあげるのは当然のこと
⑥現場主義  お客さまと接することがすべての根本
⑦社会の幸福  お客さまを幸せに導く仕事をし、自分たちも幸せになる
⑧糧  毎日の活力を得て、自戒するために